第７回 お産の始まり
いよいよ、お産が始まります。分娩事故（死産）を未然に防ぐためには、お産 の始まりを見逃さず、お産の進行をよく観察することが必要です。本稿では、分 娩兆候の観察と分娩予知、分娩開始のメカニズムについて解説します。
分娩兆候の観察と分娩予知
分娩兆候の観察からお産の始まりを予知することは、分娩事故を未然に防ぐ ために重要です。また、お産を予知し、開始からしっかり観察して正常なお産の 進行を確認することは、異常分娩を早期に発見する上でさらに重要なポイント となります。
1） 乳房、乳頭および外陰部の外見変化と乳汁変化
分娩 1 か月前頃より乳房が腫脹し始め、乳頭も腫脹し乳頭内に液体の貯留を 認めるようになります（図 1）。外陰部の長さは増し陰唇の幅も増大します（図 2）。しかしながら、乳房や乳頭および外陰部の変化は個体差が大きく、妊娠して いることを外見から判断する材料にはなりますが、その腫脹や変化の程度によ り分娩を予知することは困難です。
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