~分娩第1期 初期陣痛の開始から第1破水まで~
お産の事故を未然に防ぐために重要なポイントは、今、目の当たりにしているお産が異常分娩かどうかを判断し、人が介入する必要があるかどうかを判断することでしょう。お産の事故が多発する農場においては、お産の進行による
母牛および子牛の状態の変化を理解したうえで、お産の開始から時間の経過とともに注意深く監視し、異常を早期に発見し適切に対処する必要があります。
一方で、お産の環境が適切であり、お産の事故がほとんどない農場においては、異常分娩でない限り人の介入は不要であり、極力、母牛の自力での自然分娩に任せるべきです。
お産の進行の区分け
お産はその進行により、3つの時期に分けられて呼ばれています。お産の始まりである初期陣痛から第1破水が起こるまでの時期を開口期(第1期)、破水から腹圧を伴う陣痛により胎子が娩出されるまでを娩出期(第2期)、胎子娩
出後胎盤が排出されるまでの時期を後産期(第3期)と呼ばれています。お産の始まりから、それぞれの区分けごとに要する時間は異なり、時に進行が遅れる場合もあります。お産の進行をよく理解し、今、進行しているお産がどの時期にあたるのか確認しながら分娩を見守ることが重要なポイントとなります。